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Talk Event [写真家と役者、嘘と真実」2/21 18時〜

Bar山﨑文庫にて開催中の写真展のトークショーを行います。

俳優の吉本実憂さんとフォトグラファー丸谷嘉長さん、舞山とで撮影のお話

をします。お気軽にお足を運んでいただけたら幸いです。(予約不要)


写真と演技は、似ていない。そう思われがちだ。一方は現実を写し、もう一方は虚構を生きる。

だが本当にそうだろうか。かつて、吉本実憂さんから「役を演じる時、自分の感情に嘘をついたことはない」という言葉を聞いた。

その言葉は、私の中に小さな違和感として残った。役を演じるという行為は、他者の人生を一時的に引き受けることだ。

台本という平面の文字から、呼吸をし、体温を持つ存在を立ち上げる。そこには想像力だけでなく、演じる者自身の記憶や感情、

傷や願いが否応なく混ざり込む。自分ではない誰かを生きながら、それでも感情に嘘をつかない。その矛盾のような行為は、実はとても誠実な表現なのではないかと思った。一方で、写真はどうだろう。 

シャッターを切れば、対象は写る。考えていようが、いまいが、現実は等しく像として定着する。

だがその写真は、本当に「真実」なのか。フレーミング、焦点距離、露出、タイミング。機械を介した瞬間、現実はすでに選別され、

切り取られ、別の意味を与えられる。写真とは、現実を装った嘘なのか。それとも、嘘を通してしか辿り着けない真実なのか。

俳優と写真家。使う道具も、立つ場所も違う。しかし両者は、ともに「一瞬に、何を信じるか」を問われている。

その瞬間に差し出されるのは、技術ではなく、態度であり、覚悟だ。嘘と真実は、明確に分かれてはいない。

その境界を行き来しながら、表現は生まれ、像となり、記憶に残る。

今回のトークでは、完成した写真だけでなく、そこに至るまでの迷いや揺らぎ、嘘をついた瞬間、嘘をつけなかった瞬間についても言葉にできればと思っている。写真家と役者。異なる表現者が、同じ問いの前に立つ夜になるはずだ

丸谷嘉長



 
 
 

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